売上至上のビッグモーターが苦境に陥った納得理由 「買いたい」よりも売上を重視したら起きること

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売上を上げるために追いかけるべきなのは、売上の数値ではありません(写真:タカス/PIXTA)
当然ですが企業にとって「売上を上げる」ことは存続をかけた大問題です。しかし、「売上を追っても売上は上がらない」と断言するのは、『ドリルを売るには穴を売れ』などのベストセラー著者でマーケティング・コンサルタントの佐藤義典さん。『顧客の「買いたい」をつくる KPIマーケティング』の著書もある佐藤さんに、戦略的な売上の作り方を伺いました。
今回は売上をムリに追うことの弊害と、正しい売上の上げ方は何かについて取り上げます。

営業の評価指標が「売上」になっている現実

売上が組織にとって重要なことは言うまでもありません。それが理由か、多くの会社で「営業担当者の評価指標」は「売上」もしくはそれに準ずる数字(売上台数・件数など)になっています。私の調査では、7割弱の会社が「売上」を営業組織の評価指標にしています。

そしてそれは、「売上を上げろ」という指示を組織として出している、ということです。

それでいいのでしょうか?

ここで質問です。野球チームの監督が、選手に言ったとします。

「勝ってこい」

と。それは「適切な指示」でしょうか?

選手はきっとこう思うでしょう。「もちろん自分だって勝ちたい。そのやり方を考えるのが監督の仕事ではないのか?」と。

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