中古車大手ネクステージ社長が語る「信頼回復の道」 不正撲滅に「インセンティブ廃止」の大ナタ
不正根絶にインセンティブを撤廃
――昨年9月、「文春オンライン」で、ビッグモーターと「同様の不正が横行している疑いがある」と報じられました。
ビッグモーターは意図的に車両を傷つけて保険金を過大請求したりしていたが、われわれはそのようなことはしていない。組織的に関与して起きたトラブルもない。
とはいえ、従業員個人が“インセンティブほしさ”に保険契約を捏造した事案があったことなどは事実だ。ただ、そういった問題はその都度適切な対応を行い、再発防止にも当然努めてきた。また、それらの事象を隠蔽などせず、関係各所に正しく報告してきた。
――文春からの取材を受けるまでは情報を開示してこなかったのでは。
保険契約の捏造に関しては、担当保険会社にも報告済みだ。保険は金融商品なので、保険会社から関係省庁にも報告がなされたと認識している。
当該従業員の処分はもちろん、現場でなぜそのようなことが起きたのか原因を解析し、再発防止策も打っていた。
ビッグモーターで起きたような不正ではないとはいえ、問題が起きていたことは事実だと認め、昨年10月からインセンティブを撤廃した。それまで当社は営業会社だったが、今後はマネジメント会社に変わっていく。
――インセンティブ廃止がなぜ不正防止につながるのでしょう。
中古車業界では、1人のスタッフが車両の販売から納車までを一貫して担うのが当たり前だ。個人のインセンティブがあるので、他のスタッフが担当している業務に対して、インセンティブをもらえないのにわざわざ協力する気が起こりづらい。
第三者の目がないので、業務がブラックボックス化してしまう。そうすると、自分のインセンティブほしさにお客様に嘘をついたり、勝手に約束をしたりする可能性が高まってしまう。
今回インセンティブを撤廃し、複数人で案件に対応する“チーム制”を導入した。ブラックボックスがなくなるので、不正を撲滅できると思っている。
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