不正報道で揺れる「ネクステージ社長」が激白 営業の会社を180度変えるために私は辞任する

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東洋経済の単独取材に応じた浜脇浩次社長。2022年2月の社長就任以来、業績を伸ばしてきたが、2023年9月11日に辞任した(記者撮影)
ビッグモーターの保険金水増し請求が大きな社会問題となって以降、揺れ続ける中古車業界。
そうした中、9月6日に「文春オンライン」が、東証プライム上場で中古車販売大手のネクステージに関して、ビッグモーターと「同様の不正が横行している疑いがある」と報じた。同日のネクステージの株価は、ストップ安水準となる前日比700円安の2770円まで急落。その後も株価は続落し、足元では2300円台と低迷している。
そのネクステージは、9月11日、浜脇浩次社長が辞任し、創業者でもある広田靖治会長が社長を兼務する人事を発表した。辞任を表明した浜脇氏に直撃した。

――社長を辞任されました。理由を教えてください。

(ビッグモーターのような)車検不正や自動車保険の水増し請求は調査した限りない。一方、過去に不適切な事案が起こっているのは事実だ。これまでは(取り扱い台数に比べても)率は少ないし、同業他社よりも少ないから良いと考えていたが、それではダメだと考えを改めた。

ゼロを目指していくには会社が変わる必要がある。そのためには私が社長を代わるべきだと考えた。

インセンティブを廃止する

――社長交代で何が変わる、何を変えるのですか。

社員に対するインセンティブ(月間の契約台数と利益に応じて手当が決まるシステム)を廃止する。

当社は、販売や買い取り、保険契約などに関してノルマを設けていない。一方、KPI(重要業績評価指標)として設定しており、昇格基準の1つの目安にしていた。プロセスを管理することで不正が起きにくいと考えていた。しかし、率は少なくても不適切な事案が一定程度発生している。

ノルマでないからいい、KPIだからいいではなく、もっと根本の仕組みを変えないと問題は起きる。ならば、インセンティブを廃止することによって、営業会社の体質を転換する。

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