不正報道で揺れる「ネクステージ社長」が激白 営業の会社を180度変えるために私は辞任する

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――KPIはノルマではないとのことですが、昇格基準の1つである以上、社員に無理をさせる要因になり得ます。

確かにノルマの定義は人によって違う。上場会社として来期予算を作るために、集客や契約の目標を設定する。(目標達成のために店内に)数字を張り出して「見える化」することをやる店舗もあった。

ノルマか、予算か、計画か、それ自体は悪いことだと思っていない。

契約数、獲得数字だけを張り出して、気合いと根性でやれ、というのはノルマだ。しかし、なぜやるのか、どのようにやるか、プロセスまでブレークダウンしてKPIとするのはノルマとは異なると考えている。例えば、顧客に正しく説明をしているか、といった個々のプロセスを定めて、そのためのトレーニングもしている。

顧客に対する価値提供を正しく行うために全店共通の業務マニュアルをつくって、それを改善してきた。そこに問題があれば正しく行われなかった活動を見直し、マニュアルの修正も行っていく。

数字重視からプロセス重視へも不正はなくならず

――何がノルマか、ノルマだとしてそれが悪いのか、というのは議論の余地があります。とはいえ、そうした厳しい管理をノルマと受け取る社員はいるのでは。

KPIはあくまで目安なので、これを達成しないと昇格できないということではない。未達でも昇格した例もある。ただ、書類選考の中に保険契約数に関する基準があるのは事実で、これ自体は次の人事考課から見直そうと思っている。12月以降の成績の昇格基準から撤廃する方向で、経営会議にかける。

私は2016年に副社長に就任して以来、数字の結果を追う方針から、プロセスを重視する方針に段階的に変えてきた。こうした取り組みによって収益面だけではなく、企業としても成長できたと思っている。

それでも、不正などの問題が起きないとは思っていない。起きた問題、わかった問題に対してはきちんと対応するし、当局を含めた関係各所にも報告している。われわれに非がないとは言わないが、不正の発生率などを無視して企業風土に問題があるかのように報道されるのは非常に残念だ。

2023年11月期末に、買い取り単独店など含めて297店舗体制を計画している(筆者撮影)
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