不正報道で揺れる「ネクステージ社長」が激白 営業の会社を180度変えるために私は辞任する
――事実と事実でないものとは何でしょう。
事実でないものとして、たとえば、メーターの巻き戻しがある。過去にはあったが、業界としてチェックするように改善したことで少なくとも大手では今はない。
おとり広告もそうだ。実際には在庫はないにもかかわらず、あるように見せかけて顧客を呼び込み、違う車を提示するといった問題だ。中古車情報大手が、疑わしい案件の掲載を停止する対策を取るようになった。
足元で残っているのが「支払総額」の問題だ。店頭では、安価な車両価格を表示しておいて商談時に「保証」や「整備」の金額が乗るなど、表示価格で購入できないことが問題だった。これは10月から業界団体の規約で「支払総額」に変わる。
当社はすでにネット媒体の表示は総額表示に切り替えた。中古車価格は毎月変わるため、大型店で総額表示を導入するには手書きの価格表示では対応できない。(総額表示とするには)簡単に価格表示を変えられるデジタルプライスボードが必要になる。昨年からデジタルプライスボードの発注を開始し、ようやく大型店への展開を終えた。大型店は9月から総額表示を実施している。
――中古車買い取りでは、いったん価格を提示しておいて、競合を退けてから難癖を付けて引き下げるという苦情は少なくありません。ネクステージについても一定数の苦情があります。
もともとは商品中心のシステムだったが、やはり顧客中心のシステムでないといけない。100万円で買い取るべき車なら70万円の提示からスタートして顧客が何かを言えば90万円に上げる。何も言わなければ、70万円に5万円プラスして75万円で買うといったことは起きてしまう。
一般には「100万円までで買い取るように」と現場に求めるが、当社では「まず100万円を提示するように」と「ライバルが高い価格を提示するなら、そこから考えるように」と指導している。顧客によって価格を変えるのではなく、正しい価格を提示するように変えて、そのためのプロセス管理も行っている。会社としてルール化はしているが、一部に抜け漏れがあり、それがクレームに繋がっているのは事実だ。
中古車の販売に関しても、「何度も説明してしつこい」といったクレームがあるのは事実。社内では対処しているが、ゼロに出来ているわけではない。顧客中心に変えていかない限り問題は出てくる。顧客を中心に考えて価値を提供し、それを顧客に選んでもらえる業界にしていくことが重要だ。
――ビッグモーター出身という浜脇社長の経歴が、ネクステージも同じような不正をしているのでは、といった疑念を抱かせました。
私がハナテンとビッグモーターを退任したのは2015年12月のそれぞれの株主総会だ。その株主総会で(ビッグモーターの組織風土を変えたと言われている)兼重宏一(元副社長)氏がビッグモーターの取締役になった。彼は2012年にビッグモーターに入社しており、私は2005年から2015年までハナテンで勤務していた(ビッグモーター取締役も兼務)ため交流はない。話をしたのも2015年12月の(ビッグモーターの)株主総会のときだけだ。
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