頭のいい人が「夜の勉強を避ける」合理的な理由 スキマ時間でムダなく集中学習するために

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頑張りすぎもよくありません。障害に打ち勝って順調に勉強できたとしても、深夜まで勉強すると翌日に響きます。始業時間を自分の都合で遅らせることはできないので、勉強する時間が長くなると、睡眠時間を削ることになり、仕事中に眠くなってしまいます。そうすると、ミスにつながってストレスがたまり、仕事での疲労が増加します。疲れとストレスで勉強にも集中できなくなり、悪循環に陥ってしまいかねません。

このように、社会人が夜中心で勉強するには、様々な困難があります。これらに負けずに勉強を続けるには、鉄のように固い意志が必要です。

別の視点で考えると、夜は自分でコントロールできない突発的な事態が起こりやすいことも問題です。

もっともわかりやすいのは残業です。定時で帰るキャラを貫いていても、ときにトラブルが起こった場合は、残業をせざるをえません。そのような日が何日も続くことがあれば、勉強のノルマを果たせない日々が続いてしまいます。そうすると、学習効率が下がってしまいます。

このように、社会人が夜中心の勉強をするには、困難な点が多数あります。

「朝に勉強する」の利点

それに比較しておすすめしたいのが、早起きして朝中心に勉強するスタイルです。

一番のメリットは、もっともフレッシュな状態で勉強に取り組めることです。頭の回転が夜に比べて速くなるので、問題を解くスピードも上がりますし、テキストを読んだときに記憶にも残りやすいです。眠気に耐えながら勉強するより、学習効率が高くなります。

また独学の場合、くじけそうなときに助けてくれる先生はいませんし、励まし合える仲間もいません。専門学校などに通う場合と比べて続けられなくなりやすいので、精神的に余裕のある、疲れていない時間帯を中心に勉強するほうが、負担は少ないでしょう。

これは誤解している人が多いのですが、難関資格試験において重要なのは、暗記ではなく理解です。すべての論点について暗記するのは不可能なので、根底にある原理原則を理解し、問われている内容について、理解している事項をもとに、その場で応用して答えを導くことが、得点につながります。ですから、質の低い勉強を積み重ねることより、集中して論点の本質を理解するように努めることが、合格への近道です。

疲れている夜よりも、朝のほうが勉強の質が高くなることは、言うまでもありません。

第二のメリットは、時間制限があるので集中できることです。

夜は自由時間のため、ついだらだらしてしまいがちです。朝は始業時間から逆算して家を出る時間を動かせないので、起きた瞬間から残り時間が明らかになります。5時に起きて7時に家を出るルーティンだと、出社準備を30分で終えるとしたら、1時間半の時間を確保できます。疲れていない状態で、ゴールがあらかじめ見えていることから、比較的集中しやすいと言えます。

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