80代高齢者から荒稼ぎ、三木証券のあきれた実態 口座数減で業績低迷の小規模証券会社が暴走
証券業界全体で顧客本位の業務運営が叫ばれている。それに逆行する三木証券の営業姿勢に驚きが広がった。
金融商品取引法は、顧客の知識や経験に照らして不適切な勧誘を行い、投資者の保護に欠けるおそれのある業務を行ってはならないとしている。これを「適合性の原則」という。
今回はこの適合性の原則に反した営業活動だったと、監視委は認定した。適合性原則違反での勧告は、今年6月のちばぎん証券に対するものに続く。
相次ぐ証券営業での不祥事に対し、日本証券業協会(日証協)の森田敏夫会長は、9月20日の会見で「非常に残念。報告書を見てきちんと対応を考えたい」とコメントした。
「極端な収益至上主義」
ただ、こうした姿勢を改めるには一筋縄ではいかなさそうだ。
監視委は、無理な営業が横行した背景として「経営陣による極端な収益至上主義への転換」を挙げる。
顧客の高齢化により口座数が減少傾向にあったことなどで、三木証券は2016年度から4期連続の営業赤字に陥った。経営改善が喫緊の課題になっていた。そこで2020年4月以降、経営陣主導の下、主にアメリカ株への販売に注力した。
経営資源が限られている中、販売商品を絞り込むことはほかの会社でもよくあることだ。アメリカ株販売の強化で三木証券は2020年度に営業黒字化を果たす。ところがこの黒字は、経営陣が率先してコンプライアンスを軽視したことにより実現したものだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら