便秘なら「食物繊維を摂ればOK」と考える人の盲点 むやみに糖質や油を制限すると排便に悪影響も

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「便秘予防としてのウォーキングでは、話しながら歩ける程度のゆっくりした速度がおすすめです。ゆっくりした速度で歩くと副交感神経が優位になり、心身のリラックスやストレス解消につながります。さらに、歩くという動作は骨盤を動かし、腹筋も使う。腸をほどよく刺激し、腸の運動を促進して、便秘の予防や改善につながります」(鳥居医師)

トイレは「考える人」のポーズを

便秘予防には、排便時の姿勢も大切だ。理想の姿勢はロダンの彫刻「考える人」の前傾姿勢だという。それによって、直腸と肛門がほぼまっすぐになり、肛門の括約筋も緩みやすくなり、排便しやすくなる。ちょっとした工夫で日々の排便はより楽になる。

●腸マッサージ

便秘解消に「腸マッサージ(腸もみ)がいい」という話も聞く。これも効果があるのだろうか。

「お腹のマッサージ(バウエルマッサージ)は、お腹の張りを改善するために医師も使う方法です。便やガスのたまりやすい腸の曲がり角を中心にやさしくマッサージすることで、たまっていたガスが動き、腸の動きがよくなります。便秘予防や解消にも有効です」と鳥居医師。

やり方としては、仰向けに寝て両ひざを軽く曲げて立てる。おへそを中心とした5カ所を、①お腹の右下、②右上、③左上、④左下、⑤お腹の真ん中(おへその下)の順にやさしく押していく。お風呂上がりなどリラックスしているタイミングがより効果的だそうだ。

お腹のマッサージのやり方。鳥居医師への取材を基に編集部作成(イラスト:imacvery/PIXTA)

「便秘気味であれば、このマッサージを毎日の習慣にするといいでしょう。そして、なるべくストレスをためないこと。朝食後にトイレに座る排便習慣をつけることも大切です。それでも便秘で困っていたら、早めに消化器内科や便秘外来を受診してください」(鳥居医師)

(取材・文/石川美香子)

鳥居内科クリニック院長
鳥居 明医師
医学博士。内科・消化器科・アレルギー科鳥居内科クリニック院長。日本内科学会認定医・日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医・日本医師会認定産業医・日本医師会認定健康スポーツ医。東京慈恵会医科大学医学部卒業。同大学院博士課程修了。神奈川県立厚木病院医長、東京慈恵会医科大学附属病院診療医長、東京慈恵会医科大学助教授を経て、鳥居内科クリニックを開設。現在、東京都医師会理事。
主な監修書に『図解よくわかる 過敏性腸症候群で悩まない本』(日東書院本社)。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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