日本人と外国人「Z世代求職者」給料より大事なこと 学生680人の調査でわかった10年前との大きな変化

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これらの結果を踏まえて、採用担当者にとって重要な点をおさらいしたい。

・日本と外国人のZ世代は価値観が似てきている。
・ワークライフバランスと働きやすい職場環境は、すべてのZ世代の求職者にとって最も重要であり、給与や福利厚生よりも重要である。一方、彼らにとって最大の心配事は、有害な環境で働くことである。
・キャリアの選択肢は、日本人、外国人のZ世代にとって最も重要性が低い。
・海外でキャリアをスタートさせたいと考えている日本人学生はわずか6.42%であるのに対し、日本での就職を希望または想像できる留学生は58.5%に上る。

日本のZ世代の求職者は、他の先進国の同世代と同じ価値観を共有するようになってきている。これは驚くべきことではない。多くの研究が、異なる国の年齢層は、同じ国や文化の異なる年齢層よりも多くの類似点を示すことが多いことを示している。

日本企業はどう変わらないといけないか

日本の企業にとってこれは、以前のように日本で新卒者を採用できないことを意味する。これは確かに多くの企業にとって課題である。かつての企業は、長期的なキャリアの見通し、終身雇用、高い給与を持つ新卒者の採用を競っていた。

ところが今後は、優秀な人材を雇用し、確保するために、魅力的な雇用主にならなければならない。雇用主の選択は、働きやすい職場環境、企業の価値観、家族への配慮、海外で働く機会といった要素に基づくことが多くなるだろう。キャリアの選択肢や出世は若い求職者にとって重要ではなくなっている。

企業は採用プロセスを変え、より強いファミリー志向を示し、協力的で快適な職場環境を作る必要がある。これには、フレックスタイムやリモートワークの選択肢を増やすことも含まれる。また、製品ブランディングだけでなく、雇用者ブランディングに注力することも求められるだろう。

いいニュースもある。データが示すように、日本は外国人留学生にとって魅力的な就職先となりつつある。30%が日本での就職を希望し、42%近くが日本で働くことを想像している。このような学生を採用することは、日本企業に新たな課題をもたらすだろうが、日本の労働力不足と戦うための適切な一歩となるかもしれない。

パリッサ・ハギリアン 上智大学教授(国際教養学部)

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Parissa Haghirian

オーストリア・グラーツ生まれ。ウィーン大学日本学部卒業。ウィーン経済大学国際ビジネス学部で博士号取得。2004年に来日し、九州産業大学で国際ビジネスを教え始める。2006年、上智大学に准教授として着任。現在は、上智大学国際教養学部教授(国際経営・経済学コース)として、日本の経営学、クロスカルチャー、経営戦略などをテーマに研究・教育活動を続けている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事