シニア起業に異変「50代の起業相談」急増の理由 「50代起業」で成功する人がやっていること

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5年前と比べ、さまざまな点で身近になった「起業」。とはいえ、長年企業戦士として頑張ってきた50代の現役世代にとって一大決心であるのは間違いない。会社という守られた環境を離れ、自分1人で決断しながらビジネスを進めていくのは孤独であり、ストレスも多いことだろう。

「確かに、起業したての頃はナーバスになって、眉間にしわを寄せるような表情の人が多いですね」と、起業を目指す彼らを間近で見ている片桐氏は語る。とくに現役世代は人生を懸ける勢いで起業する人が多いので、顧客がつくまでの間はかなり不安にかられるようだ。

ビジネスが軌道に乗ると「顔つき」が変わる

起業した人を待ちかまえる、最初の大きなハードルが「営業」だ。とくに営業経験のない人にとって、自身の製品やサービスを知らない人に売り込むことは、心理的な負担が大きいという。

「人付き合いが苦手な人でも、自身のビジネスを売り込む営業は、成功のためには避けられません。とくに起業したての場合、お客さまはその製品やサービスを買うというより、それを売る『人』を買っています。まずは人の話を聞くだけでもいいから交流会に出かけましょう、とアドバイスしています」

それでも、徐々にビジネスが軌道に乗り、顧客が増えていくと、その表情に「変化」が表れるという。

「2年目、3年目と経験を重ねるごとに、自信がつき、周りも見えてきて、表情が穏やかになっていくのが、日々接しているとわかりますね。3年目くらいになると風格が出てきて、起業成功者として講演を依頼しても笑顔で引き受けてくれるんです」

(撮影:尾形 文繁)

起業は、その人の人格やマインドにもプラスの影響をもたらすようだ。

50代現役世代が、起業で成功するためのポイントは何だろうか。片桐氏によると、大きく3つのポイントがある。

第1に、「3年以内に現年収と同じ売り上げを目指す」という目安だ。

「例えば年収が700万円であれば、まずは3年以内に700万円の売り上げを達成する。実際にはそこから経費を引かれて手取りは減りますが、手に届きやすく、具体的にイメージしやすいので、指標としてお伝えしています」

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