起業家はモテモテだけど、結婚には不向き? 「恋愛」と「起業」には深い関係がある可能性

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――ベンチャー振興のために日本が米国に学べることは何でしょうか。

シリコンバレーには、奇抜であっても新しいアイデアを試すための仕組みがあります。要するにアイデアを持つ起業家は投資家から投資を引き出し、自分と社員のリスクを最小限に抑えながら、実績に応じて投資家と現場の人材に利益を与えるといった仕組みがよく機能しています。

複雑な機械がさまざまな歯車がかみ合って動くのと同じように、シリコンバレーの仕組みには、さまざまなギア、つまり制度だけでなく社会的なアメとムチを含めて、いろいろなファクターが絡んでいます。

ですので、投資を促す制度を導入するとか、一部分だけを変えれば日本版のシリコンバレーが生まれるとは考えがたいです。シリコンバレーの仕組みをよく理解したうえで、日本オリジナルな仕組みや起業スタイルを普及させればいいと思います。そのために日本の起業家にも学ぶのが大事です。

私のゼミでは、日本の若手起業家の事例を集めています。ウェブサイトを立ち上げてロールモデルとして公開しています。たくさんの事例を見せて、20代のうち起業しても、ベンチャーに就職しても、もう珍しくないという認識を広げたいです。

起業と恋愛・結婚との関係とは?

――若者の起業観には恋愛や結婚も影響していると、本の中でも指摘されていますね。

数年前にゼミの研究で「女性は起業家の男性をどう思うか」という調査をしました。女子学生に対して、20代男性で①ベンチャーの社長、②中堅企業の正社員、③公務員という3タイプのうち、「遊び友達」と「結婚相手」として、どう選ぶかをランクを付けてもらったのです。

結果は興味深いことになりました。ベンチャー社長は遊び友達としては圧倒的に人気でしたが、結婚相手としては最低でした。つまり、ベンチャー社長は婚活に不利なのです。調査に答えた女性は、家族を安定的に支えられる男性を結婚相手として選んだようです。合理的ですね。

正確なことを知ろうとすれば日米で多くの女性を対象に調査しないといけませんが、こうした日本女性の意識も男子学生の就職に影響を与えているかもしれません。若者の行動を理解したいなら恋愛や結婚のファクターは無視できません。

――ひとくちにベンチャーといっても、さまざまあります。仮にベンチャーに就職するならば、就活学生はどんなところに着目すればよいですか。

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まずは自分が成長できるかどうかを考えてみることです。おカネの面では、数年後にストックオプションで大きな金額を稼げる確率はどのぐらいあるか。経験の面では若いときから重要な仕事を任されるかどうか、です。そして、事業内容を評価しなければいけません。

そこで注目すべき点は、①事業の具体性、つまり事業内容が明確で理解しやすいかどうか。②新規性、新しい商品・サービス・技術があるかどうか。委託業務やコンサルティングが本業でないことも注意すべきです。コンサルで事業を数年以内に大きくすることはできないからです。③需要。商品やサービスの見込み客が多くいて、市場規模があるかどうか、④実績。設立から現時点までの期間に見合う発展があるかどうです。設立から10年も経って事業規模が小さい、成長実績に乏しいベンチャーや成長しない単なる中小企業がベンチャーと自称するケースもありますから、そこは注意が必要です。

長谷川 隆 東洋経済 記者

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はせがわ たかし / Takashi Hasegawa

『週刊東洋経済』編集長補佐

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