同じ保険大国でも米国と日本はまったく違う 民間保険は社会保険を補完するのが役割

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(写真:christopherong/PIXTA)

社会保険は、国の財政状況により変動するもの

保険と聞くと多くの人は死亡保険や自動車保険を思い浮かべるでしょう。民間の生保会社や損保会社が扱っています。そして一般の商品と同じように、こうした民間保険に入るかどうかは、個人が考えて決めるわけです。

ところが、日本人ならば誰もが入っている、もうひとつの大きな保険があります。それが国の運営する社会保険です。支払われる保険金、給付金の金額でみると、事業規模は民間保険の5倍以上もある巨大な国の保険制度です。こちらは入るかどうかを自分で決めることができません。強制加入の保険制度です。

社会保険と民間保険、この2つはいったいどんな関係にあるのでしょうか。実は両者は補完関係にあります。ベースとなる国の社会保険を補完するものとして、民間の保険は位置づけられているのです。

日本の社会保険の主なものは、健康保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険です。民間保険会社と同じように保険技術を用いて運営されています。大きく違うのは国民からの保険料収入だけでなく、かなりの税金が国庫から投入されている点です。したがって社会保険は、国の財政状況によって給付水準がコントロールされ変動します。

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