「コロナ後も咳に悩む人」が見逃す"鼻の異変″ 「後遺症の原因」は自覚症状のないアノ疾患?
世間はすっかりポストコロナ気分だが、医療現場は今年もまだ「コロナの夏」が続いている。38℃以上の発熱を呈して受診する方の大半が、コロナウイルス感染症だ。注目すべきは、他院でコロナと診断されて治療を受けたが、その後も長引く「咳」の治療を目的に受診する方だ。
これは「コロナ後遺症」なのか? 日々、風邪や新型コロナに向き合って気づいたのは、咳を訴える患者さんが自覚していない、本当の原因だ。今回は、その知識と経験を多くの方に共有できればと思う。
風邪と新型コロナの診療で気づいた「あるある」
現在、新型コロナの治療では、抗ウイルス薬を使うのは高齢者や抗がん剤治療中の方、免疫抑制療法を受けている方に限られる。それ以外の方は対症療法、つまり症状を和らげるための治療をするだけだ。要するに完全に風邪と同じ扱いだ。
具体的には、外来を受診した場合は、解熱鎮痛剤(痛み止め、熱冷まし)、抗ヒスタミン薬(鼻水、鼻づまりの緩和)、去痰薬(鼻水や痰の粘性を下げ出しやすくする)、鎮咳剤(咳止め)、場合によっては気管支拡張剤(気管支を広げて呼吸を助ける)などが症状に合わせて処方される。
問題は、診察時に出ていない症状については、薬を出さないのが“基本”だということ。だが、「発症後すぐ受診したら解熱鎮痛剤のみ処方されて、あとから鼻詰まりや咳で困りました」という患者さんがナビタスクリニックを受診されることも多い。
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