「コロナ後も咳に悩む人」が見逃す"鼻の異変″ 「後遺症の原因」は自覚症状のないアノ疾患?
真菌性の副鼻腔炎であっても、細菌感染も合併していることが多いため、抗生剤治療=細菌感染に対する治療で良くなることも多い。しかし、完全には治りきらず、症状が悪化していくこともある。治りが悪ければ放置せず、きちんと診断を受けて適切な治療を受けることが望ましい。
特に糖尿病の基礎疾患がある人は、真菌性副鼻腔炎のリスクが高い。慢性腎臓病や血液がん、中等症以上のコロナで副腎皮質ホルモン治療を受けた人も、リスクが上がるとされている。
「鼻うがい」の選び方とオススメ「漢方」
通常の風邪やコロナに伴う副鼻腔炎であれば、抗生剤を使わずとも治る場合がほとんどだ。
抗生剤治療を考えるのは、1週間以上症状の改善がみられない、頭痛や38℃を超える発熱がある場合に限られる。通常は特殊な抗生剤は不要で、一般的なペニシリン系の抗生剤で事足りる。もちろん、どの抗生剤を使うかは薬物アレルギー歴や基礎疾患によって異なるので、医師の判断になる。
あまり知られていないが、生理食塩水などで鼻の中を洗う「鼻うがい」は、コロナの重症化を防ぐ効果がある。
複数の研究論文からデータをまとめた報告では、鼻うがいが、鼻汁中のコロナウイルス量をすみやかに低下させ、重症化を防いだ。また他者に感染させるリスクも低下した。もちろん、鼻をすっきりさせて症状も改善した。
私は、診察の際に鼻うがいの有効性を説明し、ドラッグストアなどで購入して使うよう説明している。初めての人はしみたり痛かったりしないか心配されるが、案ずるより産むが易しで、「やったら良かった」と、評判はすこぶる良い。
鼻うがい製品はいろいろと販売されているが、私は液体の量が多いものを使うよう説明している。そのほうが洗い流す効果が高いからだ。もちろん鼻うがい製品を使わなくても、市販の生理食塩水を温めて使えば問題ない。
また、私は漢方を内科診療によく用いており、葛根湯を風邪の処方に加えることが多い。葛根湯は膿の排泄を促進する効果があり、鼻づまりをとる作用もあるため、副鼻腔炎の治療にはもってこいだ。
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