「コロナ後も咳に悩む人」が見逃す"鼻の異変″ 「後遺症の原因」は自覚症状のないアノ疾患?

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医師から処方されていない場合は、市販の葛根湯を買って服用するのもいいだろう。ただし葛根湯には血圧や心拍数を高める効果があるので、血圧の薬を処方されている、ないし心臓に持病のある方では、主治医に相談したうえでの服用をお勧めする。

「ノドの強い痛み」はコロナの後遺症?

新型コロナが発生した当初、急な発熱と肺炎による死者が相次ぎ、世界はパニックに陥った。しかしオミクロンと呼ばれる変異株が出現して以降、重症化率・死亡率は世界的に低下した。現在、コロナといえども、ほとんどの方にとってはもはや風邪、またはインフルエンザ程度のものでしかない。

とはいえ、感染し発症すれば、日常生活にまったく支障がないわけではない。昨今の典型的な症状パターンの1つが、「ノドの強い痛み」だ。

新型コロナの初発症状は、発熱と咽頭痛、関節痛や倦怠感だが、近頃はとくにノドの痛みを強調する方が多い。「ノドが切れたように痛み、話をしたり食事をするのもつらいんです」、と。ただし実際に診察してみると、ノドは少し腫れているものの大したことのない方がほとんどで、自覚症状と見た目のギャップが大きいのが特徴だ。

その後、発症して2〜3日すると、鼻水が出て鼻が詰まるようになる。それがノドに垂れ込むと痰となり、痰が刺激となってむせるような咳き込みを生じるようになる。治まっているときは大丈夫だが、突然強い咳き込みが生じ、しばらく治まらない、という人が少なくない。咳のしすぎで胸の筋肉が痛くなったり、ひどいと肋骨を痛めるケースもある。

咳はだんだんと和らぐが、最終的に2〜3週間ほど続く人も多い。ナビタスクリニックに、「咳止めを処方されて服用しているのに治らない」と受診される患者さんが多いのは、この時期だ。

これをコロナの後遺症と捉えるのか、もともとの持病に関連した合併症なのかは、判断が難しい。だが、普段からその人の風邪の推移をよく知っているかかりつけ医なら、的確な判断が期待できる。

つまり、風邪のかかりつけ医が発熱外来を担当したり、5類移行後もコロナ疑いの患者を診療することで、「コロナ後遺症」と呼ばれる症状も、速やかな改善につながるケースが増えるだろう。

久住 英二 内科医・血液専門医

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くすみ えいじ / Eiji Kusumi

1999年新潟大学医学部卒業。内科医、とくに血液内科と旅行医学が専門。虎の門病院で初期研修ののち、白血病など血液のがんを治療する専門医を取得。血液の病気をはじめ、感染症やワクチン、海外での病気にも詳しい。

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