「時価総額2兆円」エムスリーの子会社がステマ 「法人向けは対象外」10月開始ステマ規制の欠陥

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その2日後の8月23日、エムスリーからは、「不適切な広告運用がなされていたことを確認した。チェック体制が不十分だった。広告の閲覧者が十分な情報に基づきサービス選択することを阻害する恐れもあり、当社としても重く受け止めている」という回答があった。

冒頭のエムスリーキャリアのホームページ上のお詫びは、まさにこのタイミングで掲載された。

東洋経済がエムスリーにステマの問題を指摘したのが8月17日。8月23日にエムスリーキャリアのホームページの「お知らせ」にお詫びが掲載された(編集部撮影)

また、同じ日にユニバーサルメディアジャパンからは、「不適切な部分があり、サイトを非公開にした。再発がないように社内の体制を見直していく」という回答があった。両社の間で協議があり、急遽、サイトを非公開にする措置がとられたようだ。

ただし、実はエムスリーキャリアの行為は必ずしも法律に触れるものではない。

ステマは法的にはグレー

まず、これまで日本では、ステマに関する明確な法規制がなかった。だが、10月からようやく、景品表示法に基づくステマの規制が始まる。ステマが発覚した場合、広告を載せる側ではなく、お金を払って広告を出す側が行政処分を課される。

では、10月以降はエムスリーキャリアの行為が処分を受けるかというと、それも違う。このステマ規制は一般消費者向けのサービス・製品が対象で、エムスリーキャリアのような法人向けのサービス・製品は対象外であるからだ。

もとより、景表法自体が一般消費者を保護の対象としており、法人の利用者は保護の対象として想定していない。消費者庁の担当者によれば、「一般の消費者と法人では判断力に差があり、保護すべき度合いは異なると見ている」からだという。

だからといって、法人向けステマに問題がないわけではない。

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