ライザップが、日本を代表する保険グループのひとつであるSOMPOホールディングスから300億円もの出資を受けることになった。直近2024年3月期の有価証券報告書では、ライザップは、継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)について重要な問題があるとする記載をしなければならない状況に陥っていた。継続企業の前提に疑問があるとはつまり、事業が継続できるかどうか疑わしい財務状況だった、ということである。ライザップは今回の資金調達によって資本金を約300億円回復し、この記載を取り消すことができたが、果たして今後、事業を立て直すことができるだろうか。
ライザップは今、絶好調じゃないの?
ライザップが危機だとか、立て直せるのかと言われても、ピンとこない方も多いだろう。「ライザップは今、絶好調なのではないか?」と。実際、同社がいま積極展開しているチョコザップについては、1500店舗を超えたとか、会員数が100万人に達したというような景気のいい話ばかりが聞こえてくる。チョコザップについては連日のように新サービスが発表されているし、テレビでもCMをよく見かける。そんなライザップの業績が危ないと言われても、にわかには信じられない方もおられるかもしれない。
果敢な成長戦略を志向している姿もまた、ライザップの真実を映す一面ではあるが、他方で財務的には非常に厳しい状況にあるのもまた事実なのである。同社は、2017年頃に行った積極的なM&A策が裏目に出て、多額の債務を負った。SOMPOから出資を受けるまでは、同社の負債比率は8割を超え、このままの赤字が続けば債務超過も目の前という状況に陥ってしまっていたのである。
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