「時価総額2兆円」エムスリーの子会社がステマ 「法人向けは対象外」10月開始ステマ規制の欠陥

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ステマとは、広告であることを消費者に隠して商品やサービスの宣伝をすることだ。消費者の合理的な判断を阻害し、企業間の公正な競争環境を歪めかねないとして問題視される行為だ。

前述の産業医サービス比較.comでは、サイトの目立つ位置に「産業医紹介会社はどこがオススメ? 産業医選びに最適なサービスを徹底調査!」と記し、おすすめランキングの上位10社が掲載されていた。1位に輝いていたのがエムスリーキャリアだった。

しかし、質の高さで厳選したとうたうこのランキングは、実際には「広告であることを隠した広告」であり、エムスリーキャリアの1位の座は、広告料を支払った対価として得たものだったのだ。

エムスリーキャリアと産業医サービス比較.comのステマ行為はひょんなことから発覚した。

掲載を断られたライバル社

産業医紹介サービスを手掛けるある企業(A社)が、産業医サービス比較.comの運営会社であるユニバーサルメディアジャパンに問い合わせ、自社も掲載するように求めたのだ。A社は産業医の登録者数も多く、費用もエムスリーキャリアと同等であるのにもかかわらず、おすすめランキング10社のどこにも名前がなかった。

その結果、ユニバーサルメディアジャパンからは、掲載には広告料が発生することを告げられたうえで、「掲載企業は一定の期間で契約しており、掲載待ちの企業もいる」「掲載当初からのお取り組みの企業様を優先している」などと説明され、掲載を断られたという。

こうした情報をつかんだ東洋経済が、8月17日、エムスリーキャリアを傘下に持つエムスリーと、ユニバーサルメディアジャパンに対し、「当サイトでやっていることはステマにあたるのではないか」と指摘し、見解を質した。

すると、8月21日に産業医サービス比較.comのサイト自体が、いきなり消えた。

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