「ポケモンの進化」は"名前"でわかる意外な事実 ピィとグラードン、なぜグラードンのほうが強そう?
ほっぺた膨らみましたか?
川原:そうだね。「あ、ほっぺた膨らみました」っていう人どれくらいいる?
── はーい!
川原:みんな感じられたね。「ば」って発音した時に一気にぷしゅんってしぼんだと思う。
「ば」を発音するためには、まず両唇を閉じるよね。そうすると口の中が風船みたいになるんだ。で、「ば」を発音している時、空気がどんどん口の中に入っていくの。
風船の中に空気を入れていくと膨らむよね。濁音を発音する時ってそれと同じことが起きるの。
つまり、濁音って発音する時に口の中が膨らむんです。
口の中が膨らむのは、みんな実感できたと思うんだけど、わかりやすい図も持ってきました。
次の図はMRIで口の中の膨らみを撮ったものです。のどの少し上の部分を写しています。
濁点が付かない音と、濁点が付く音で比べてみよう。下が濁音で、上が濁音じゃない音なんだけど、どっちが大きい?
── 下のほうが大きい!
川原:そう、濁音のほうが口の中が大きくなってるんだ。
ポケモンって進化すると、体が大きくなるよね。そこで「ポケモンが進化すると名前に含まれる濁音が増えるのはなんで?」って考えてみよう。濁音って発音する時に口の中が大きくなるんだよね。
だから、「濁音=大きい」っていう感覚を私たちが持っていてもおかしくないんだよ。
例えば、「コロコロ」転がる石と「ゴロゴロ」転がる石だったら、「ゴロゴロ」のほうが大きい石に感じられるでしょ?
「カンカン」鳴っている音と「ガンガン」鳴っている音だと、やっぱり「ガンガン」のほうが大きい音だよね。
もしかしたら、ポケモンの名前を付ける人は、そういう感覚を利用しているのかもしれないね。
ちなみに、この「濁音=大きい=進化したポケモン」っていう連想は、日本人だけじゃなくて、英語を話す人やポルトガル語を話す人、ロシア語を話す人も同じような感覚を持っていることが、ポケモンを題材とした研究から判明してきました。
濁音を発音する時に、口の中が膨らんじゃうのは日本人だけじゃないからね。こういうところに、もしかしたら人類共通の何かが潜んでいるんじゃないかと私は最近考えています。
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