「ポケモンの進化」は"名前"でわかる意外な事実 ピィとグラードン、なぜグラードンのほうが強そう?
川原:次のグラフは、第6世代までのポケモンの名前を全部調べて、何回進化したら、名前に何個濁音が含まれるかを数えたものです。
ポケモンって2回まで進化できるんだよね。何か例を思い付く人いる?
はるま:ピチューがピカチュウに進化して、そこからライチュウになる!
川原:ありがとう。この横軸は、ポケモンが何回進化したかを表しています。
例えば、0がナエトル、1がハヤシガメ、2がドダイトス、みたいにね。
で、はるまがあげてくれた例のピチューは、実はピカチュウが進化する前の形でしたよ、って後から出てきたポケモンなの。そういうのはベビィポケモンって呼ばれるので、-1として数えました。
グラフの縦軸は、名前に大体どれくらい濁音が入っているかを計算したものです。
グラフを見ると濁音の数はだんだん右肩上がりになっていくのね。これは、進化すればするほど名前に含まれる濁音の数が増えますっていうこと。
そして、この傾向は、大学の研究で実証されました。
こういうふうに、ポケモンの名前を言語学的に研究してみましょうと始めたのは私なの。でも、この研究は瞬く間に世界に広まったんです。
せっかく世界中で研究してくれている人がいるんだから、みんなで集まってお話ししましょうっていう学会を慶應大学でやったことがあるんです。こうして、ポケモンの名前研究は言語学の世界で立派に認められる分野になったんだ。
学問の世界ってけっこう自由なんだよ。プリキュアの研究をしても、ポケモンの研究をしてもいいんだ。
なんで濁音は大きいんだろう?
川原:じゃあ次の話。濁音は大きいとか、強いとか、進化しているとかっていうイメージがあるってことがわかってきたね。じゃあ、それはなんでかを考えてみよう。
これも実際に感じられると思うから作業してみよう。「ば」が一番わかりやすいかな? 両手をほっぺたに当てて、「あば」の「ば」の部分をできるだけ伸ばして発音してみてくれる? 「あ」を伸ばすのではなくて。私の真似してみて[abbbbbba]って。それからとなりの子と、お互いのほっぺを見てみながらやってみよう。
── あっっっっっっば。
川原:何か気づいたことがある人いる? はい、みあ。
みあ:「うーんば」ってやると、最初に口の中が膨らんで、「ば」って言った瞬間に全部出る感じがした。
川原:いいね、素晴らしい。じゃあ、せな。
せな:みあにちょっと似ているんだけど、膨らんで、それが一気に爆発するような感じ。
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