有料会員限定

「エモい」「モヤる」日本語の曖昧表現が持つ力 『言語の本質』と人間知能の深層①

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
今井むつみ、秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』
今井むつみ、秋田喜美『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』中公新書

近年、私たちが日々当たり前のように使う言語への注目が高まっていると感じる。1つ目の理由は、大規模言語モデルをベースとした生成AIの登場だろう。われわれの言語で質問をすれば、機械が時に人間よりも優れた回答を、違和感のない論理展開で返してくることに驚いた人も多いだろう。生成AIの登場は、必然的に人間知性とその根底にある言語能力に対する再考を促すことになった。

2つ目の理由は、SNSの登場で人間同士の言語の応酬による分断が加速し、偽情報が拡散されていることだ。私たちは、自分たちの用いる言語に十分な信頼を置けなくなってしまった。

今回から読み解く『言語の本質』は、オノマトペといった、言語の中でも「傍流」に見えるようなテーマから、人間のみが扱う言語の成立と進化の過程を明らかにしていく。その中で、「人間と動物との違い」「人間知能と人工知能の違い」という、人間の実存への問いへと斬り込んでいく。

関連記事
トピックボードAD