韓国語の「辛い」は約20種!言葉の解像度の地域差 フィンランドの「雪」は約40種、日本語に多いのは?

モノが先か、言葉が先か
もう10年以上前になりますが、『世界は言葉でできている』というテレビ番組が放送されていました。私も言葉に関わる仕事をしているため、この番組のタイトルには非常に示唆に富んだものがあると感じ、今も印象に残っています。
言語によって世界ができているという概念を体系として完成させたのが、スイスの哲学者で言語学者のフェルディナン・ド・ソシュールです。
ソシュール以前の人々は、言葉とは世の中に既に存在しているものに後から貼り付けたラベルのようなものだと理解していました。たとえば、ある動物を見つけて後付けで「ネコ」という名前をラベリングし、その動物に追いかけられているすばしこい動物に「ネズミ」という名前を付けたり……という発想です。もともとそこにあったモノや生き物に後から名前を付けたということです。
しかしソシュールはそれを、ある意味で正反対に捉えました。というのも、人間が名前を付けようが付けまいが、動物や植物、モノたちは太古の昔からずっと存在していたわけです。区分けや分類も決まってはいません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら