AI(人工知能)時代における言語について考える際、避けて通れないのが、『言語の本質』で触れられている言語のアナログ(身体性・具体性)からデジタル(記号性・抽象性)への移行、そして「記号接地問題」である。
乳児の感情表現は泣く、笑う程度だが、幼児になる頃にはオノマトペを使った「アナログ」表現へ変化し(ブーブー、ワンワン、ニコニコなど)、大人になると抽象性の高い「デジタル」な単語で言葉を操れるようになる(自動車、犬、快適など)。
一方、AIは人間のような言語習得過程を経ずに、デジタルな単語を操ることができる。その際、AIは扱う言語をどの程度「知っている」といえるのか。1990年代のAI研究の中で提唱されたのが、「記号接地問題」だ。
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