こんまり氏の「ときめき整理収納法」の特徴の一つに、「一気に、短期に、完璧に、まずは捨てることを終わらせる」というものがあります。「捨てる or 捨てない」の基準としては、「触った瞬間にときめきを感じるか」というルールを設け、自分の責任によって、目の前の景色をガラリと変えることを目指そうという方向性です。
一方のアンガーマネジメント、これを極める目的は「怒らなければいけないことには上手に怒れ、怒らなくていいことには怒らないようになれること」です。つまりは、怒ること・怒らないことを自分の責任で仕分けし、怒りによる失敗や後悔をなくすことを目指しているのです。
怒りによる失敗の一つに、過去の怒りを持続・成長させ過ぎて、憎しみからの報復措置が事件へとつながり、後悔・自己嫌悪に陥るようなケースがあります。「過去に片をつける」ことは、怒りを建設的パワーに変えること。新たな目標を設定し、それを成就させることで、自己肯定感や成功体験を得られれば、過去の怒りを「遺物」にしてしまえるでしょう。
「捨てること」は「選ぶこと」
このように、部屋の整理も、感情の整理も、家の中の空間と、心の中の空間をそれぞれスッキリさせるという共通点があり、この共通点は、非常にプラス方面に作用するという特徴があるのです。
「捨てる」は「選ぶ」にも置き換えられます。こんまり氏は、ときめくものを残すことを選んでいるわけです。「ときめくモノ=大好きなモノ」に囲まれる生活が「理想的」であれば、私たちの「選ぶ」作業に明確な目的ができ、モチベーションが上がるでしょう。
目的のさらなる明確化のために、こんまり氏は「具体的に理想の暮らしを妄想しよう」と提案しています。たとえば、「視界にモノが入らないホテルのような部屋で」、「お風呂あがりにアロマを炊き」、「クラッシック音楽を聞きながらヨガをして」、「ゆったりとしながら眠りにつく」……といった憧れの生活をイメージするのですね。
さらにこんまり氏は、「なぜ、そんな暮らしをしたいのか」を考えることも推奨しています。「なぜ、アロマを炊いてヨガをしたいのか?」、「なぜ、ゆったりとしながら眠りたいのか?」……こうやって「なぜ」を突き詰めていくと、「捨てる=選ぶ」作業が「自分の幸せ」に繋がるという、単純明快なメリットが顕在化してきます。
アンガーマネジメントにも、幸せな生活を手に入れるための方法論がいくつかあります。たとえば、松岡修造さんの日めくりカレンダーの記事などに書いた「ミラクルデイ・エクササイズ」というテクニック。これは、自分が抱えている問題がすべて解決している理想の日(奇跡の日)をイメージし、その日に向かうためにできることを具体化、実践するためのメソッドでした。
「理想の日々=自分が幸せな日々」の中には、自分や他人の怒りなどに振り回される状況など想定されません。やはり、アンガーマネジメントの有効活用が、理想の暮らしを実現するための武器になることでしょう。
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