1年前の新聞と10年前の本で得られる知識の大差 読書の習慣のない人が知らない本当のメリット

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1年前の新聞を取り出して読んでください。凄く役に立つことが書かれていますか? おそらく、あまり実生活の役には立たないでしょう。それは、新聞がほとんど「情報」で占められているからです。

今度は、10年前に買った本を本棚から取り出して読み返してください。「なるほど。古くなっていない。昔読んだときと違う新しい発見があった」と思う本がたくさんあるのではないでしょうか?

「情報」と「知識」はどう違う?

1年たって古くなるのが「情報」、10年たっても古くならないのが「知識」です。

ネット、テレビ、新聞、雑誌、週刊誌などで得られる内容は大部分が「情報」で、体系だった本から得られるのが「知識」です。

「情報」とは、「事実」であり「結果」であり「事象」です。

「知識」とは、事実、結果、事象の積み重ねから吸い上げられた「エッセンス」です。

もちろん、ネット上のサイトやブログで得られる「知識」もあります。逆に「情報」しか載っていない「本」もありますが、ザックリまとめるとネットは「情報」を得るもので、本は「知識」を得るものといえるでしょう。

英語でいうならば、「情報」は“information”(インフォメーション)ですが、ここでいう「知識」は“intelligence”(インテリジェンス)のイメージです。

「単なる知識」ではなく「結晶化された知識」。単なる羅列された文字情報ではなく、実践可能、応用可能で行動につながり、10年たっても風化することのない「結晶化された知識」を得られるのが「本」なのです。

「情報」とは、いうなれば「断片化された知識」です。その情報を集め、分析し、整理し、理解し、記憶し、体系化し、熟成して、はじめて自分の生活、ビジネス、人生に役立てられる「結晶化された知識」にすることができます。

「本」では、既に著者が情報を分析し、整理し、体系化してくれています。そこには最初から「知識」が書かれていますから、「本」から直接「知識」を吸収するほうが、一から学ぶよりも100倍楽であり、効率的です。

もちろん、「情報」も大切です。最新のニュースを視覚情報で得られるテレビ、一瞬で知りたいことを検索できて、多くの人の意見も見られるネット……。

これらから必要な「情報」を得ながらも、自分でさまざまな内容の本を読み、「情報」と「知識」のバランスをとっていくことが必要なのです。

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