ただ、スペック化しやすい技術力とは異なり、具体的に研修カリキュラムに落とし込んだり定量的に把握したりするのはとても難しい。たとえば、すごく偏った人でも、その偏りがお客様とピンポイントでハマるとめちゃくちゃ評価をしていただける場合もあります。これもある意味人間力だという見方をしないと、プロのエンジニア集団としての価値を落とすことになりかねません。平準化することでいいところまでそぎ落とさないよう気をつけたいと思っています。
--ベースとなる技術教育はどのように行っているのでしょうか。
エンジニアの教育は競争にかかわってきますので、技術教育はオリジナルのプログラムで行っています。平時だと200講座くらい用意し、社員が自由に選択して受けられるようにしています。
教育コストは年商の2.5%。年商が625億円あった平時の場合ですと年間15億円ですね。ビジネスモデルの違いはありますが、たとえば製造業では年商の0.3~0.5%を教育に使っていれば高い水準とされていますから、当社はかなり高い投資を行っているといえます。
教育は投資であるという考え方は社員とも共有しています。いくらおカネをかけて教育しても、そのエンジニアが辞めたら研修費はフイになりますよね。会社はリスクを負って研修しているわけですから、会社側が教育機会を作ることに投資を惜しまない代わり、社員には土日など個人の時間を投資してもらうようにしています。
また、エンジニアを直接部門、人事や経理などのマネジメント側を間接部門と呼んでいます。間接部門は450名ほどいますが、基本的にはエンジニアと同様プロを目指してほしいと思っています。しかし、エンジニアは1つの職業で一生やっていけますが、間接部門の場合はたまたま配属になった人もいるでしょうし、こちらとしても特にいずれ経営層として仕事をしてもらうなら複数の部署を経験してほしいという思いもあります。今のところ、間接部門の研修は汎用的な教育にとどまっていますが、今後はもっと間接部門とプロフェッショナルという概念を分かち合う方法を工夫していかなければいけません。
(撮影:梅谷 秀司)
1958年愛知県生まれ。1984年メイテックに入社し、社長室長、人事部を経て1995年に取締役に就任し人事部長と経理部長を兼任する。1996年専務取締役人事部長・経理部長、99年から現職。2006年からはグループCEOも兼務。社団法人日本経済団体連合会理事、一般社団法人日本エンジニアリングアウトソーシング協会代表理事。
■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です
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