うどんが一番おいしく、コシが感じられるのはゆでたての状態です。工場では、大釜でたっぷりの湯でゆでることで、均一なゆであがりを実現しています。ここでポイントとなるのは水分の含有量です。
ベストな水分量は、“めんの外側が80%程度、中心付近が50%程度”といわれています。水分が多い外側はもちもちの食感を生み、水分が少ない内側は弾力が強く歯ごたえを生み出します。この内側と外側の水分含有量の差が、うどんのコシを最大限に引き出しているのです。
ゆでてから時間が経つと水分がめん全体で均一になっていき、歯ごたえがどんどん失われます。これが、いわゆる“のびた”状態です。
最適な状態にゆであげられたうどんは、めんがのびる前、水分含有量の差がベストな状態のうちに急速凍結されます。大切なのは一気に凍結すること。ゆっくり凍らせると、凍るまでに麺がのびてしまい、うどんのコシが失われてしまいます。
一般家庭では実現できないうどんの製造技術と急速凍結技術で、最適なゆであげ状態を保つこと。これが冷凍うどんのおいしさの秘密なのですね。
しかし、工場でいくらベストな状態で生産されていても、家庭での冷凍保管がうまくできていないと、おいしさも半減してしまいます。
長く保管する場合に起こりやすいのが“冷凍焼け”です。うどんが冷凍焼けを起こすと白っぽく変色し、加熱しても硬いままで、味や食感が損なわれてしまいます。
冷凍焼けの原因は、簡単にいうと、冷凍保存中の温度変化でめんの水分が失われて乾燥してしまうため。冷凍うどんだけに限りませんが、冷凍食品の保管をする際は、冷凍庫を頻繁に開け閉めしない、扉を長く開けておかないなどを徹底し、冷凍庫内の温度変化を最小限にとどめるようにしましょう(関連記事:「週末にまとめて作って冷凍庫へ」がNGな納得の訳)。
せっかくのおいしい冷凍うどん、本来の味を楽しむために、家庭での保管にも気を配りたいところです。
暑い夏こそ「冷凍うどんレシピ」
前述したように、電子レンジ調理ができることも冷凍うどん躍進の1つのポイントです。まさに今のような暑い時期、火を使わずに調理できるのは嬉しいものです。筆者おすすめの、電子レンジだけで作れる冷凍うどんのレシピをご紹介しましょう!
シンプルに冷たいうどんを食べたいときは、電子レンジで加熱後に冷水で締め、お好みの量のしょう油やポン酢をまわしかけるだけです。レモンをぎゅっと搾ると、夏にぴったりの爽やかな風味が味わえます。青ねぎや揚げ玉、かつお節、ごま、しょうがなどお好みの薬味をトッピングし、アレンジしてみてください。
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