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母が転んで歩行不能、入居施設に問題はないのか 高齢者は転倒しやすい、防ぎきれないケースも

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  • 中村 明澄 向日葵クリニック院長 在宅医療専門医 緩和医療専門医 家庭医療専門医
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まず、慢性硬膜下血腫は脳と頭蓋骨の間に血液がじわじわとたまっていく病気で、一般的には60歳以上の高齢者に多いとされています。

転倒した直後に生じることはほぼなく、転倒などで頭を打った後や、尻もちなどで脳が揺り動かされた後、およそ2週間から3カ月の期間にゆっくりと起こってきます。すぐに症状が表れる脳卒中などと違い、症状はゆっくりと進行していくため、忘れた頃に症状が出ることも珍しくありません。

そのため、もし転倒した直後に病院に連れていったとしても、その時点では慢性硬膜下血腫にはなっていない可能性が高いです。

実際、転倒しても特に外傷がなく、血圧や脈拍を含め、ご本人の様子に変化がなければ、まずは経過を見ることが多いと思います。

転倒時に何かしらの症状が見られたのであれば別ですが、利用者が転倒するたびに、念のためにと病院に連れていくことが必ずしも必要とは限らないため、今回の件は施設が悪いとは言い切れないと考えられます。

ただし、先述の通り、転倒からしばらく時間が経ってから、頭痛やふらつき、言葉が出にくい、ぼーっとしているなどの症状が表れることがあれば、慢性硬膜下血腫を疑って受診する流れになります。

もちろん施設の報告義務はある

もちろん、施設内や施設が管轄する場所で利用者が転倒した場合、転倒したことを施設が家族に報告するのは基本です。

その際、「転倒してから、後々こういう病気(慢性硬膜下血腫)が出てくる可能性もある。ただ、それは症状が出てからでないと調べられないため、今の時点ではこのまま様子を見ることになる」という説明を添える必要はあったかと思います。

もしかすると、はなさんは、施設からこうした説明がなかったことで、より心配になったのではないかと感じました。

また、「2カ月前までジャンプができていたのに、歩けなくなった」という点に関しては、慢性硬膜下血腫以外の病気が潜んでいる可能性もあるため、主治医に確認することをお勧めします。

病気の種類や、飲んでいる薬の影響でふらつきなどの症状が出て、それが転倒のきっかけになっている可能性もあります。できるだけ早めに主治医に相談したほうがよいでしょう。転ぶ理由が病気や薬によるものだとしたら、それを解決するのは医師の仕事でもあります。

他方、施設側に疑問点があることも確かです。

お母様は「転倒を繰り返していた」とのことですが、転倒を防ぐための対策は、何か取られていたのでしょうか。転倒を繰り返しているなら、主治医や施設と相談し、転ばないための対策を取ることが必要になります。

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