肺がん末期で、私のクリニックが運営する緩和ケア専門施設メディカルホームKuKuRu(ククル)に入居していた男性のAさん(73歳)。本人の「余命を知りたい」という希望もあり、私は家族や本人に「残された時間は、約1カ月だと思います」と伝えていました。
自分が死んだらこうしてほしい
余命を伝えてからのAさんの動きは、見事なものでした。
これからどう過ごすかについて家族や医療者と話し合い、終末期の医療の選択の希望や、自分の葬儀や相続関係のことまで踏まえて、「自分の最期と死後はこうしたい」という意思をまとめ始めました。そして意思をしっかりと言葉にして紙に記し、必要な書類関係とともに1冊のファイルにまとめ、周囲に託したのです。


















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