「死にゆく姿をわが子に」乳がん末期34歳母の決意 最後は自宅で過ごす、その選択にある背景とは

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どのように生きるかと同じように、どのように死ぬかを、まだ元気なうちに身の回りの人と話し合っておくことが推奨されています(写真:プラナ/PIXTA)
2018年に厚生労働省が改訂した『人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン』に盛り込まれているACP(アドバンス・ケア・プランニング)をご存知でしょうか。愛称を「人生会議」とし、普及活動を行っていましたが、2023年6月の調査で国民の72.1%が「知らない」と回答していることが報道されました。医師や看護師も20%程度が知らないと回答しているとされています。(2023年6月22日共同通信
終末期に何らかの医療行為の選択(胃ろうをつけるか、心臓マッサージを行うかなど)が必要なときに、今まで通りの自分の考えできちんと意思決定をすることはなかなか難しいことです。実際に終末期に意思決定が必要な患者さんの約7割が「意思決定が困難」といわれています。
どのように生き抜くか――。どのような医療やケアを受けて人生の最終段階を過ごしていくかについては、できれば元気なうちに考えておくことが、自分らしい人生を生き抜くために大切なことです。実際には医療やケアの専門スタッフと話し合いながら、希望すれば家族や友人も一緒に考えていくプロセスになりますが、終末期の医療や介護サービスの実際を知っておくといざというときに役に立ちます。
これまでに1000人を家で看取った在宅医・緩和ケア医の中村明澄さんの『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』から、いくつか事例をご紹介します。

いつか妻と旅行に行ける日を夢見て…

私の原点といえるのが、研修医になったばかりの頃に出会った、末期の膵臓がんの今井達さん(仮名・39歳)です。働き盛りの会社員の男性で、妻の希望もあって、本人には終末期ということは伝わっていませんでした。

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