変えるかどうか見極める際には、まずは現場でお母様に接しているスタッフだけでなく、上層部の施設長とも話してみるといいかもしれません。それぞれの立場によって、見方や考えが異なる場合もありますし、「実は現場はしっかりしているのに、施設長が動かない」、あるいはその逆など、どちらかに問題がある可能性もあります。
両者としっかり話して、それでも抱えているモヤモヤが消えなかったり、対応が気に入らなかったりするようであれば、施設を変える方向に舵を切ってもいいでしょう。
高齢者は転倒しやすいという前提
ただし、加齢による身体機能の低下もあり、高齢者が転倒しやすいという状況は、変えようがない現実です。
高齢者が転んで骨折すると、寝たきりになってしまう危険もあることから、できるだけ転倒はしないほうがいいのは確かです。
しかし、どれだけ対策を取っていても、100%防ぐことはできません。たとえ自宅で家族みんなで見守っていたとしても、少し目を離した隙に転んでしまうこともあります。
反対に、転ばないように動きを制限してしまえば、それが結果として身体機能を下げることにつながり、寝たきり状態を招いてしまうという、本末転倒なことが起こる恐れもあります。ですから、本人の生活の質を考えると、転ばないための対策を十分に講じたうえで、多少のリスクを背負いながらも、やはりある程度、自由に動くことが大切だと思います。
施設で転倒すると、施設の責任と考えたくなりますが、どうしても防ぎきれないところがあるのも事実です。
これらを踏まえ、“施設での転倒=施設のミスではないこと”、そして施設に入れても変えられないリスクがあることは、前提として理解する必要があると思います。
まずは、こうしたことをご理解いただいたうえで、今お感じになられている疑問や不安を、施設にうまく伝えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。はなさんが安心して、お母様を見守ることができる環境が訪れるよう、心から応援しています。
(構成:ライター・松岡かすみ)
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