規制に抜け穴?全面喫煙可な居酒屋が存在する訳 飲食店が「喫煙目的施設」として通る不思議
近年、世界的にたばこの害が指摘され、受動喫煙問題が表面化した。日本でも、東京五輪・パラリンピック開催を契機に、健康増進法が改正されて屋内での禁煙施策が厳しくなった。さらに開催地である東京都では受動喫煙防止条例により、規制がより厳しくなった。健康増進法が経過措置で喫煙を認めている小規模飲食店でも、従業員のいる飲食店は、喫煙専用室(飲食不可)を設ける場合などを除き全面禁煙となった。
しかし、ここ数カ月で3回、都内で全面的に喫煙可能な飲食店に出くわした。都内では従業員がいる飲食店は喫煙不可であるはずなのに、複数の従業員がいるこれらの店舗で喫煙可能であること、また分煙すらしていないことに驚いた。
確認するとこれらの店には「喫煙目的店」のステッカーが店外に貼られていた。これらの店は健康増進法で定める「喫煙目的施設」(※名称は喫煙目的店、喫煙目的室などもある)だったのだ。
メニューは通常の飲食店と同様
最初の居酒屋は、出入り口ではないところに「喫煙目的店」のステッカーが貼ってあった。ただ、のれんで隠れてしまってほとんど見えない。やきそばが売りの店だった。
2件目はチェーン居酒屋の1店舗。「お席でたばこ吸えます!」の大きな手書き看板があり、その横に、「喫煙目的店」のステッカーと「年齢確認実施中」の表示物があった。年齢確認には気を使っているようで、サラリーマン風の男女4人のグループが入ろうとしたら、従業員が年齢確認できる書類の提示を求めていた。メニューは普通の居酒屋とほぼ同様で、主食系も麺やご飯類が豊富だった。
3件目のコーヒーショップは、大手チェーンとデザインが似ているが、店の名称自体にたばこ関連の文字があり喫煙者向けの店舗であることはわかる。「喫煙目的店」のステッカーと「全席喫煙可」の看板があった。50席ほどある大きな店で、学生とおぼしき従業員が複数働いていた。フードメニューもあり、カレーライス、ピラフ、パスタ類を提供していた。
なぜ、このように都内にある普通の居酒屋やコーヒーショップでもたばこが自由に吸えるのか、その背景を探っていきたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら