戦時に毒ガスを研究「ウサギの島」まさかの実態 戦時中の痕跡があちこちに残っている
誰も知らない、誰も行かないヘンな場所をイラストレーター・ルポライターの村田らむさんが軽やかに訪れその理由と魅力を解き明かした見聞録。
登場するのは富士の樹海やドヤ街、廃墟に珍スポット(韓国、北朝鮮、台湾も少しだけ登場!)。潜入取材、危険地帯取材を得意とする著者が、尽きない好奇心と探究心で繰り広げる、怖いもの見たさの物見遊山!
『にっぽんダークサイド見聞録』よりお届けします。
戦時中、地図から消されていた島
インタビュー仕事のために広島に足を運んだ。翌日の夜には大阪で仕事があるため、あまりゆっくりはしてられないのだが、どうしても前から行きたかった大久野島に行くことにした。
大久野島は瀬戸内海に浮かぶ1周4キロくらいの小さな島だ。広島県竹原市に属する。
昭和初期から昭和20年までは毒ガスの製造をした島として知られている。戦時中には、地図から消されていた。
現在は、島中にウサギが繁殖しておりウサギの島と呼ばれている。
ウサギにはあまり興味がないが、毒ガス関連の施設には非常に強い関心があった。
広島で仕事が終わったのが、午後13~14時くらい。フェリーが出る忠海までまっすぐ向かって、とりあえず大久野島へ渡ってしまおうかと思ったが、ギリギリ間に合わなかった。忠海駅近くのホテルはすでに埋まっていたので、三駅手前の竹原駅で降車して地域最安値のビジネスホテルに宿泊した。
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