戦時に毒ガスを研究「ウサギの島」まさかの実態 戦時中の痕跡があちこちに残っている

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この建物は「ふ号作戦」に使用される兵器の制作にも使われていたという。「ふ号作戦」とは、気球に爆弾を乗せて、ジェット気流を利用してアメリカまで飛ばしてアメリカ本土を空襲するというトンデモ兵器である。実用されたが、ほとんど戦果は上げることができなかった。

その風船爆弾をこの施設でふくらませ、弱い部分を補修したりしていたそうだ。

かわいい、かっこいい、うまいがそろった大久野島

ぐるりと1周回って来た。入場料は100円だった。

2時間ほどかけて回ったので、毒ガス資料館はすでにオープンしていた。

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島の成り立ちから戦中の様子、そして戦後の毒ガスの処理と“毒ガス”という厄災と関わり続けてきた島の歴史がわかりやすく展示されていた。当時の技術では当然起きた、事故や漏れなどについても描かれている。

というわけで駆け足で回った大久野島だったが、細かい見どころはまだまだたくさんあった。夜中に歩くのも怖くて楽しそうである。休暇村があり9000円から宿泊することができる。キャンプ場もあり、フリーテント場なら410円で借りることができる。大浴場もあってこちらも1回410円だ。

僕は軍事遺構ばかり見ていたけど、人が一番たくさんいたのはキャンプ場だった。

見どころは、ウサギと軍事遺構とバーベキュー!

つまり、かわいい、かっこいい、うまい、と3点そろったのが大久野島なのだ。

村田 らむ ライター、漫画家、カメラマン、イラストレーター

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むらた らむ / Ramu Murata

1972年生まれ。キャリアは20年超。ホームレスやゴミ屋敷、新興宗教組織、富士の樹海などへの潜入取材を得意としている。著書に『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)、『ホームレス大図鑑』(竹書房)など。

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