戦時に毒ガスを研究「ウサギの島」まさかの実態 戦時中の痕跡があちこちに残っている

拡大
縮小

慣れた人は、ニンジンやキャベツを持参で来ていた。帰りにたしかめたら、フェリー乗り場近くのコンビニエンスストアでカップに入ったニンジンなどを売っていた。

この文章を読んで「大久野島へ行こうかな?」と思った人は絶対にエサを持っていった方が楽しいはずだ。ちょっと荷物になるけど、キャベツを一玉持っていけば、島中のウサギたちにエサをあげてまわることができる。

楽しそうにウサギにエサをあげる人たちをほぞをかむ気持ちで見つめながら島内を回ることにした。

毒ガス資料館で見つけた古い落書き

船着き場の近くに「大久野島毒ガス資料館」というとても興味をそそられる施設があったのだが、9時10分スタートだったので、島を回り終えてから見学することにした。

歩いていくと建物が見えてきた。かなり古びた建造物だがしっかりと残っている。表面は剝離して、鉄筋がむきだしになっていた。

施設の前には、子ども向けのクイズが看板に貼られて出されていた。自転車で島内を回りながらクイズに答えていく形式らしく、かわいらしい自転車のイラストが添えてある。

「サイクルラリーCP2本館横にあるこの建物はなんでしょう?   ヒント:何かの貯蔵庫です。本館にはかつて●●●●の製造工場があったよ!   大ヒント:ひらがなにすると4文字だよ!!」

すごい陽気な質問である。

答えは「毒ガス貯蔵庫」って、質問の陽気さにくらべて答えがヘビーだわ。毒ガス貯蔵庫らしく床には丸いタンクを置くための台座が残っている。

次ページ危険地域だった時代の落書き
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT