規制に抜け穴?全面喫煙可な居酒屋が存在する訳 飲食店が「喫煙目的施設」として通る不思議

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そもそも前述のように、健康増進法上、喫煙目的施設は飲食店が含まれる第二種施設とは別のカテゴリーだ。 東京都の調査(令和4年度飲食店における受動喫煙防止対策実態調査)によれば、都内の飲食店のうち、4.8%が喫煙目的施設だ(一部喫煙目的室0.8%を含む)。

しかし、普通の居酒屋やコーヒーショップが喫煙目的施設になるのは禁煙推進の趣旨からは逸脱しているし、法律で当初想定していた形態とは異なるだろう。

また、喫煙目的施設になるためには保健所等の許可や届け出は不要で、ステッカーも交付されたものではなく、市販のものや自分で作成してもよいのだ(記載内容の要件はある)。

東京都も現状を問題視

東京都の受動喫煙対策の担当課である保健医療局(旧・福祉保健局)保健政策部健康推進課に問い合わせたところ、都も問題意識は持っている。同課は「~受動喫煙防止対策に関する飲食店の皆様へ~ 『喫煙目的施設』は、飲食や遊技等を目的とした施設は該当しません」というタイトルの文書を公表している。

そこでは、

「飲食店を含む第二種施設については、喫煙専用室、指定たばこ専用喫煙室又は喫煙可能室(対象は要件を満たす一部の飲食店のみ)を設置することができます。

一方、シガーバーなど、利用者に対して喫煙をする場所を提供することを主な目的とする喫煙目的施設については、技術的基準を満たした喫煙目的室を設けることができます。飲食や遊技等、喫煙以外の行為を主な目的とする施設は喫煙目的施設に該当せず、喫煙目的室を設置することはできません。

と記述されている(下線は表記通り)。

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