規制に抜け穴?全面喫煙可な居酒屋が存在する訳 飲食店が「喫煙目的施設」として通る不思議

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ただし、東京都は③の要件に加えて、2018年6月に成立させた「受動喫煙防止条例」により一段と厳しい内容とした。受動喫煙を防ぎにくい弱い立場にいる従業員を守る観点から、法に上乗せをして独自のルールを定めた。

従業員を雇っている店は原則屋内禁煙とするものだ。結果として、都内で例外として飲食可の喫煙可能室が認められるのは、従業員がおらず、かつ客席面積が100平方メートル以下で、個人や中小企業(資本金5000万円以下)が経営する店舗のみとなった。これにより、都内の飲食店の約84%が禁煙にしなければならないということで話題となった。

抜け穴があった

にもかかわらず、冒頭で触れた3店のように、従業員がいながら全面喫煙可の飲食店が実際に存在している。実は、第一種、第二種施設以外にも、「喫煙目的施設」というカテゴリーがあり、この施設内では喫煙が可能なのだ。

喫煙目的施設とは、その名の通り、たばこを吸うことを目的とした施設であり、そもそもは公衆喫煙所、店内で喫煙可能なたばこ販売店(喫煙コーナー等がある販売店)、シガーバーなどを想定している。たばこの煙の流出防止にかかる技術的基準に適合していることが前提だ。

問題はシガーバーをどう位置付けるかだ。定義は「施設利用者に対して対面によりたばこを販売し、施設の屋内の場所において喫煙をする場所を提供することを主たる目的とし、併せて設備を設けて客に飲食をさせる営業を行うもの」となっている。20歳未満の立ち入りは従業員、顧客ともに不可だが、全面喫煙可能で、受動喫煙配慮(分煙)も不要だ。

「飲食」は、「通常主食と認められる食事を主として提供するものを除く」と定められている。前述の3店舗ともごはん、麺類などの主食に該当するものを提供している。定食屋などと違って食事が中心でないから、主食を「主として提供」してはいないということであろうか。

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