「本や参考書は最後から読む」東大生の驚きの勉強 遡って学ぶ「さかさ勉強法」について伝授する

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いかがでしょうか。最後から「さかさ」に実践していくことで、「なんでそんなことが起こったのか?」という疑問を深掘りするように勉強することができるということでしたね。

これは実際とても有効です。「最終的にどうなったのか」「結論としてはどうなったのか」が見えていない状態で本や文章を読んでも、途中の情報はあまり頭に入ってきません。

極端な例ですが、「戦国武将の1人に織田信長という人物がいました」という情報があったとして、織田信長がそれから天下統一に大きく近付くということを知らなければ、「戦国武将の1人の名前」としてスルーしてしまいますよね。

これは歴史を例に出していますが、英語でも国語でも、どんな科目でも同じことです。筆者がなぜ今この話をしたのか、持ち出してきた具体例が何を示すためのものなのか、理解するためには結果がわかったほうが早い場合があります。

小説の伏線のように、結果がわからないとその情報が重要なのかどうかがわからない場合があり、だからこそ先に結末から読む勉強には意味があるのです。

情報は、その後の結果によってその濃度が濃くなったり薄くなったりします。だからこそ先に結果を知っておけば、どの情報が大事なのかわかるようになる、ということですね。

東大生の試験攻略法でも言えること

これは、東大生の試験攻略法にも表れています。

今はもう夏休みですが、高校3年生の夏休みには東大に合格している人のほとんどは「過去問」をベースにした勉強をしています。過去問は、受験勉強のゴールです。

後回しにして直前の時期にやる人が多いイメージがあるかもしれませんが、東大に合格する人はもうこの時期からとにかく過去問を解いて、「半年後にはこの問題が解けるようにならなければならないんだな」と確認しながら勉強をしているのです。

「今はまだ、過去問が解けないだろうし、普段通りに勉強しよう」と、準備をしてから過去問に触れる人は、間違っているわけではないのですが、効率が悪くなってしまうことがあります。

「どんな問題が出るか」がわかってから勉強したほうが、効果があるのは当たり前ですよね。普段の勉強も、「これ、この前の過去問にも同じような問題が出ていたなぁ」と確認しながら勉強したほうが、効果が出るわけですね。

ということで、さかさに勉強していくことにも効果があるという話でした。参考にしてみてもらえればと思います。

西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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