思考力とは、そもそも既知の情報の組み合わせから生まれるものです。
手持ちの情報や知識がゼロの土壌から、何かがアウトプットできたり、判断を下したりすることなど不可能です。
つまり、既知の情報が豊富な人や、手持ちの情報が有機的に絡み合う知識の「ゆりかご」が充実している人が、思考力を養ううえで優位に立てるのは間違いありません。
だから、記憶力を鍛えると、連動して思考力もアップするわけです。
「手書きの機会」を少しでも取り入れる
「記憶力にせよ思考力にせよ、特別な時間をとって能力を鍛えるなんて無理!」そんな悲鳴も聞こえてきそうですが、ご安心ください。
私が記憶のトレーニングの過程で発見した大原則をお伝えします。
それは1日のうちで手書きの瞬間を増やすということです。
To Doリスト、備忘録、議事録、日記、アイデアメモ、夢や目標、そして覚えたい事柄……。
それぞれについて、私の新刊『まるごと覚えて 頭も良くなる A4・1枚記憶法』で紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
もちろん、ここに挙げたものはすべて、デジタルガジェットやアプリを駆使すれば記録、管理できるでしょう。
でも、だからこそアナログな手段に今一度目を向けてほしいと思います。
また、私はよく「脳内だけでなんでも処理しているのでしょう?」と聞かれることがよくあります。
「池田さんは記憶力がいいから、頭の中だけで論理を組み立てたり、原稿の構成を考えたり、計算していると思っていました」
ありがたいことに、そう捉えてくださる方もいます。
しかし実際は、「手書き」の作業をかなり介入させていることも事実。なぜなら、そのほうが脳が刺激されるせいか、予想外のアイデアに導かれたり、面白い展開になったりすることが多いからです。
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