すべて廃棄したり売却したりするのなら話が早いが、コンテンツ文化史として貴重な資料が含まれるし、なにより正高さんが愛情を注いだコレクションをむやみに処分するのは胸が痛む。夫婦で楽しんだ思い出もある。後悔しないように少しずつでも分類していって、残すべきものを選別していこう。
イラストに育児、家事。こささんの仕事に正高さんコレクションの整理が加わった。
この途方もない作業をマンガにしよう。そう心に決めてTwitter(現X)で発表するようになったのは5月下旬からだ。
夫の死と自分の死
この連作マンガをまとめたものが『ある日突然オタクの夫が亡くなったら?』だ。葬儀や遺品整理、相続などの手続きについて専門家の監修をつけて2018年12月にKADOKAWAから刊行した。
コレクションはそのまま保存するものと捨てるもの、売却するもの、寄贈するものの4種類に分けると方針を決めた。しかし、一見ただの雑誌の付録に見えて希少価値がついているものや、江戸時代の春歌を収録したフォノシートと春画カードのセットのように誰に価値を尋ねればいいのかわからないものが大量にある。
娘の誕生日会を自宅で開くために2019年12月までの完了を目指したが、どうにもゴールが見えてこない。それでも休日に姉夫婦や兄が手伝いに来てくれて、少しずつだが片付けが進んでいく実感は確かにある。
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