「41歳で逝ったBL漫画家」明るく描いた闘病の軌跡 実父からの虐待の過去と大腸がんと向き合った

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ひるなま
ひるなまさんの遺作『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』と夫婦が綴るサイト群(筆者撮影)
故人が残したブログやSNSページ。生前に残された最後の投稿に遺族や知人、ファンが“墓参り”して何年も追悼する。なかには数万件のコメントが書き込まれている例もある。ただ、残された側からすると、故人のサイトは戸惑いの対象になることもある。
故人のサイトとどう向き合うのが正解なのか? 簡単には答えが出せない問題だが、先人の事例から何かをつかむことはできるだろう。具体的な事例を紹介しながら追っていく連載の第24回。

虐待サバイバーとしてがん闘病する

<あとクソつまんない話だけど、制度的に結婚しといて助かったな…とは思った。夫とその親戚が、同意書サインと立会いと保証人と全部やってくれたから、スムーズに手術できた。
私は兄弟もなく親にも頼れないので、独身のままだったら入院の保証人見つけるところからやらなきゃだった…>
2020年1月31日)@hilnama/hilnama 成人向け(BL中心)

末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』(以下、『元気です』)という闘病マンガがある。WEBコミック「COMICポラリス」で2020年7月に連載を開始し、最終10話まで掲載すると、2021年2月に単行本として刊行した。

著者のひるなまさんは、Twitterのアカウント名にある通り、ボーイズラブ(BL)を中心に成人向け作品を描く漫画家として活躍してきた。『元気です』の連載は誕生日を直前に控えた38歳から開始し、その書籍はひるなまさんが亡くなった今も重版を重ねている。

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そして、ひるなまさんが残した自身のTwitterアカウントも、「ひるなまの夫」さんに引き継がれている。それらに残された闘いの軌跡を追いかけると、闘病は身体の内部に留まらないことに気づかされる。

虐待の過去を抱え、病を背負う夫も気遣い、自身の心身も観察しながら生きていく。その複雑な闘いを努めて明るく綴った。『元気です』のその後も含めて、ひるなまさんの生き様を追いかけたい。

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