虐待サバイバーとしてがん闘病する
『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』(以下、『元気です』)という闘病マンガがある。WEBコミック「COMICポラリス」で2020年7月に連載を開始し、最終10話まで掲載すると、2021年2月に単行本として刊行した。
著者のひるなまさんは、Twitterのアカウント名にある通り、ボーイズラブ(BL)を中心に成人向け作品を描く漫画家として活躍してきた。『元気です』の連載は誕生日を直前に控えた38歳から開始し、その書籍はひるなまさんが亡くなった今も重版を重ねている。
そして、ひるなまさんが残した自身のTwitterアカウントも、「ひるなまの夫」さんに引き継がれている。それらに残された闘いの軌跡を追いかけると、闘病は身体の内部に留まらないことに気づかされる。
虐待の過去を抱え、病を背負う夫も気遣い、自身の心身も観察しながら生きていく。その複雑な闘いを努めて明るく綴った。『元気です』のその後も含めて、ひるなまさんの生き様を追いかけたい。



















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