「41歳で逝ったBL漫画家」明るく描いた闘病の軌跡 実父からの虐待の過去と大腸がんと向き合った

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その後、セカンドオピニオンで余命(術後の予後平均)は30カ月(2年半)とも告げられた。

年を越す頃、夫に闘病マンガを描くことを打ち明けた。それがCOMICポラリスで始まった『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』だ。

2020年7月に第1回を掲載すると、その後はほぼ隔週ペースで更新し、大腸がんと判明した経緯や入院時に直面した家族問題、闘病中に身に染みた身体や生活の苦楽について明るくわかりやすく伝えていった。編集部主導の専用Twitterアカウント(@daicho_polaris)もこの時期に立ち上げている。

ひるなま
COMICポラリスの『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』作品ページ

術後1年は連載の執筆中に経過した。抗がん剤治療によって腹膜に散ったがんが制御できており、リアルタイムでは「末期」の看板を外すという表明をするほど順調な状態が維持できている。このタイミングで連載を締める決断を下したところがひるなまさんらしい。

<いくら作家とはいえ私は若輩者ですし、自分の中で消化が済んでいる「過去の出来事」だからこそ、俯瞰で冷静に描けるんですよね。
ここから先、起承転結が一切不明の現実を描くのは至難の業です。読む側も、他人(作者)の体調のアップダウンにリアルタイムで毎日振り回されるのは結構キツイですよ。>
2021年1月19日)@daicho_polaris/末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる
ひるなま
最終回のひとコマ(『末期ガンでも元気です 38歳エロ漫画家、大腸ガンになる』より)

全10話に補足や修正、あとがきなどを加えて、最終回をアップした半月後に書籍を刊行。それから間もなくして自分用の全年齢向けTwitterアカウント(@hilnama_PG12)も開設し、趣味の世界を離れた相手にもつぶやきが届くように門戸を広げた。

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