ひるなまさんは昭和の終わり、農家の娘として生まれた。4歳の頃から始まった実父による暴力は18歳で家を出るまで続いたという。後に「極貧のDV家庭」だったと振り返っている。
人生に光が差し始めたのは大学に通うために上京してからだ。自分のペースで生活できるようになり、アニメやマンガに耽る自由を得て、劇団に入って自己を表現する楽しさも覚えた。後に夫になる人は大学の同級生であり、このときの劇団仲間だ。
大学を卒業しても当然地元には帰らない。印刷会社に入社して、東京での暮らしを選んだ。同人誌で本格的にマンガを描くようになったのはこの頃からで、めきめきと腕を上げて即売会でも評判になった。2014年の夏に退職すると商業作家の看板を掲げるようになる。
時を同じくして結婚し、夫が暮らす地域に居を移した。2人で暮らすようになっても、生活はいたって自分のペース。マンガの制作は順調で、BLの世界に興味のない夫も理解を示した。職場の環境から夫がうつ病となって退職を余儀なくされるなど難しい局面も経験したが、それでも夫婦で向き合って対応してきた。やがて夫の症状は落ち着いて新たな会社で働くようになる。
そうした日々に大きな異変が襲いかかったのは2019年の秋だった。
生理痛から身体の異常を察知
もともと生理痛が重いが、このときはいつもとは違う痛みや症状が体内から届いていておかしいと感じた。夫の協力により、急いで向かった病院でCT検査を受けたが、医師からはとくに異常なしと告げられる。上記のツイートはそのときのものだ。
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