入院中はほとんど投稿しない状態が続いた。まれになされる投稿は「喜多方ラーメンたべたい…」など、食に関するもののみ。その間、少しでもものが食べられるようにひたすらリハビリに励んだ。その意志は11月に退院した後も変わらず、家の周りや夫のクルマで出かけた公園を歩けるだけ歩いた。
自宅には友人から届いた梨があった。9月初めに届いたものを夫が傷まないように徹底管理して保存しておいたものだ。
「もう美味しくて泣きながら食べました」
<もう液体しか口にできなくなって長く、入院生活も長くて参ってしまっていて… 果物たべたいたべたいと泣いていたら、家族が昨日はりんごを、今日は梨とメロンを剝いておろして汁を絞ってくれて、もう美味しくて泣きながら食べました。おいしかった>
(2022年11月4日)@hilnama_PG12/ひるなま 闘病まんが発売中
その梨に何度も救われたことは、その後もしばしば梨の話題がツイートされていることからも伝わってくる。
<訪看さんが「ガーゼに包んで噛むといいよ」と教えてくれて、それをなんと今24時間通ってくれてる友人の看護師がやってくれて、まだ美味しく食べれてます。梨は、夫が3ヶ月かけて執念でキッチンペーパと科学の力で保管してくれた愛の塊という摩訶不思議な…>
(2022年11月20日)@hilnama_PG12/ひるなま 闘病まんが発売中
身体は衰弱していて、ツイートする際は意識が明瞭になるタイミングを狙う必要がある状態になっていった。
<支離滅裂なツイートしてごめんねwもう魔法の国の住人てかんじなので… もうすべてが朦朧としてる
まあまだいきてるよお>
(2022年11月20日)@hilnama_PG12/ひるなま 闘病まんが発売中
その8日後、「まだまだ、お茶とアイスがうまいって最高よ」とつぶやいたのが最後の投稿となった。
亡くなったのは2022年12月12日。最初の手術から3年1カ月が経過、41歳だった。4日後に夫と編集部スタッフが各アカウントに訃報を載せている。
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