「政府は赤字が基本?」100人の島に例えて解説 日本国が存続する限り、円の価値は消えない
だから、「塩を増やしすぎるな」「海外から日本の塩に価値を感じてもらえなくなるから」という発想になっても仕方ありません。
しかし、円のような「信用通貨」は違います。
円の量を増やして、物価上昇を進めたところで、「去年は住民税10万円だったけど、今年から30万円」というように、「自由(逮捕されない)の値段」が変わるだけです。
円が増えても価値がゼロになることはない
外国に「日本の産物を買いたい」と思う人がいるかぎり、
「日本のモノを手に入れるには、生産者の日本人に対価を渡さなければならない」
→「日本人は、円に価値を感じるから、円で払ってほしいようだ」
→「誰か、俺のドルを円と交換してくれないか?」
ということになるので、円の需要は消えません。
円とドルの相場は動きますが、日本の産物に魅力があり、国家が存続する限り、日本円の価値がゼロになることはありません。
仮に外国の人が「円そのもの」に価値を感じなくても、日本人にとっては「税金として払えば逮捕されない(=自由)」という価値があるので、円の需要は消えないのです。
よって、「日本が、円を発行しすぎると、インフレが止められなくなるのでは?」という考えは、円を塩のような商品として捉えているために起こる誤解です。
もちろんインフレにはなります。国が通貨を発行して国を運営する限り、通貨の量が増えていくから当たり前です。だから緩やかなインフレが良いとされているのです(※物資の供給不足のときは、インフレし続けることはあります。飢えた人が100人いるのに、食料が20個しかない状況であれば、通貨を増やしても食料の値段は高騰し続けます。ジンバブエドルの例などがそれにあたります。これは物資不足が原因であり、通貨の発行しすぎが直接の原因ではありません。他にも極端なインフレの例としてギリシャ危機やロシア危機がありますが、これらについても外貨建て債務が原因であり、通貨の発行しすぎが直接の原因ではありません)。
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