「政府は赤字が基本?」100人の島に例えて解説 日本国が存続する限り、円の価値は消えない

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「財源が足りない」という誤解

「いや、エン作ってるの君らなんだから、エンが足りないことはないだろう」と思うのは当然です。

もちろん短期間でとてつもない量のエンを発行したら、島の物価が高騰するなど混乱する危険はあります。また「保育所を一気にそんなに建てられるほど大工がいない」といった物理的制約もあり得ます。これらについて心配するのは真っ当なことです。

しかし「エンが足りないから」「オラの債務量が多いのがヤバイから」という理由で、孫悟空が判断を変えるのは、明確に間違いです。これは意見や考えではなく、単なる事実です。エンを発行するのはそもそも国ですし、通貨発行すると、国の債務に計上されるため、債務は増えて当たり前だからです。

以上のように、「国は通貨を発行できるので、いろいろとやれること」があります。

でも実際のところ世間は、経済について誤解だらけで、やれることもやらないでいたり、やらなくていいことをやったりしています。

なぜ誤解があるのでしょうか。

原因のひとつに、「日本円」というものを、塩や金属のような「有限な商品貨幣」のようなイメージで捉えている人が多いということがあげられます。

仮にもし、「塩」を税収で集めて、政府が「塩」で支払いをしていた場合、政府の財源は塩の物理的な量に依存するでしょう。

世の中の「塩」の量が増えすぎれば、1人の人間が必要とする塩の量は知れているので、塩の価値は暴落し(急激なインフレ)、限りなく0に近づいていくでしょう。そこら中に塩が落ちているレベルになれば、塩はお金として機能しなくなるのです。

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事