AIに仕事を奪われないために有効な「脳の鍛え方」 62歳で「海馬の細胞」が増えたタクシー運転手
私は医師になりたてのとき、レントゲン写真の読影が苦手で、熟練の先生に教えを乞いたことがあります。
そのときの先生からは「正常なレントゲン写真を何千枚も見ること。そうすれば、ちょっとでも異常があれば気づくようになる」と教えてもらいました。
当時は一生懸命、何日も何日もレントゲン写真を見て修行したものです。
でもAIは、この何千枚というレントゲン写真を一瞬で読み込んで、学習してしまいます。
今この瞬間も新たな情報を学び成長をし続けるAIに、年齢とともに脳の神経細胞が減っていく人間がまともに戦って敵うはずはありません。
人だからこそできる解決策を見出せるか
いま、私たちが迎えているAIの普及による情報社会の発展は、「第四次産業革命」と呼ばれています。
産業革命という大きな時代の「うねり」においては、いち早く動き出した者はその時代の中で生き残り、そうでない者は時代に取り残されてしまいます。
私たちはいま、生き残りをかけた、まさに正念場に立たされているのです。
では、どのようなスキルを持った人が、生き残っていけるのでしょうか?
それは、人だからこそできる方法を知り、AIにはまだできない価値を提供できる人が生き残っていけるのではないか、と私は思っています。
AIのベースになっているのは、ベイズ理論という考え方を応用した統計学です。
ある問題に対して、予測される事態が発生する確率を設定し、情報が追加されるたびに変化していく確率を更新し、予測の精度を上げていくモデルです。
つまり統計学的手法に支えられています。
人間の脳もまた、確率・統計的に予測を行っています。いままでの経験に基づいて次の行動を考えるということは、私たちも日常的に行っていることです。
しかし、人間の脳には、確率や統計だけでは捉えられない、私のような研究職にとっては馴染み深い「ひらめき」を筆頭に、偶発的に飛躍的な発展をし、目の前に立ちふさがっていた問題を解決する能力が備わっています。
このヒトならではの能力を引き出すためには、脳にどのように働いてもらうかが、とても大切になってきます。
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