AIに仕事を奪われないために有効な「脳の鍛え方」 62歳で「海馬の細胞」が増えたタクシー運転手

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この脳のMRIの検査結果を分析したところ、衝撃の事実が明らかになりました。

なんと、50歳前後を境に、男女ともに脳の容量が、放物線を描くようにどんどん低下していることが明らかとなったのです。

(画像:『頭のいい人が問題解決をする前に考えていること』より)

脳の神経細胞の数は生まれたときがもっとも多く、年をとるとどんどん減っていきます。その速度はすさまじく、1日に数万個の神経細胞が失われていくとすら言われています。

フラミンガム研究の結果は、ただでさえどんどん失われていく神経細胞が、50歳を過ぎるとまるで歯止めが効かなくなったように、急激に失われていくことを示しています。

50歳を過ぎたあたりから、急に疲れやすくなったり、人の名前がとっさに出て来なくなったり、考えが上手くまとまらなくなった経験はありませんか。

それは50代になって、脳の神経細胞が急速に失われ始めたからです。

あなたがさまざまな時間術や速読法に挑戦していながらも、思ったような成果が得られないのは、まさにこのためです。

これまでのやり方では、これからは通じない

人間の脳と年齢の関係性が徐々に明らかになってきましたが、それに追い打ちをかけるかのように、AIの存在感が私たちの実感するレベルで急速に増しています。

これまでは度々将棋やチェスの世界において、ヒトとAIとの対決などが話題に上がるくらいのどこか遠い存在でしたが、ChatGPTの登場以降はその様相も一変し、私たちのより身近にAIの存在を感じるようになりました。

私はオックスフォード大学で研究者として働いた後、現在は日本に帰国し、日本の大学で研究者を続けていますが、医師でもあります。いま私が勤める病院でも、AI技術が急速に普及してきています。

画像認識も得意なAIは、CTやレントゲンなどの画像診断から、胃カメラや大腸カメラによる胃粘膜、大腸粘膜の異常検出において、すでに熟練の医師に負けない鑑別能力を発揮しています。

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