「診療に関連する死=医療事故」とはいえない理由 医師が解説「医療事故の仕組みと制度のこと」
テレビや新聞・ネットニュースなどでは、“いわゆる医療事故”がたびたび報道されています。病院長を筆頭に白衣を着た数人の医師が揃って、深々と頭を垂れる写真や動画を見たことがある人もいるでしょう。
患者さんが医療行為を機に死亡したり、障害に遭ったりするのは、非常に気の毒なことです。当事者でなくても、こうしたニュースが報道されれば、医療側に対して「二度と事故を起こさないように、反省して謝罪するのは当然だ」といった感情を持たれるかもしれません。
しかし、カメラに向かって謝罪すれば再発予防に役立つのでしょうか。複雑系システムである医療での再発防止は、それほど単純ではありません。そこで、根本にもどり「医療事故とは何か」について解説します。
一般認識と違う法律上の医療事故
不確実の科学である医療の世界では、期待していた結果が得られないことはよくあります。その原因は、病状の重篤さによるのか、不可抗力なのか、予防できた事象によるのか、わらないことも少なくありません。
そこでまず、一般的に医療事故とはどのようなものを示すのか、見ていきます。
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