教育の目標を分類するための枠組みとして、「ブルームのタキソノミー(Bloom’s Taxonomy)」という指標があります。1956年にアメリカの教育心理学者ベンジャミン・ブルームが提唱しました。教育目標を明確にし、教員が効果的な指導を行うことを目的としています。
指標は①から⑥まで、以下の6段階の学習の次元を表しています。①が記憶する、②が理解する、③が応用する、④が分析する、⑤が評価する、⑥が創造する。このなかで、思考を高めるためにとりわけ大事になってくるのが、④から⑥でしょう。
たとえば「ザビエルは日本に何しに来たのか」という問いは、ICTで簡単に調べられます。「なぜ中国にいかなかったのか、考えてみよう」という問いを発すれば④の分析に発展します。こういった問いが子どもたちの思考を促進させるのです。
問いの立て方によって、中学や高校にも応用できます。グループワークで話し合いをさせて、子どもたちをうんうんうならせれば、面白みがある授業を展開できると思います。
ICTとの上手な付き合い方
21世紀の教育はICTを抜きにして語れません。ただし、どの思考の段階でICTとつきあうかが大事になってきます。構想を描いたり創造を生み出したりするために使うのならば、どんどんやるべきです。
ただし、その子にとって早い段階で与えてしまうと、ICTに頼ってしまって思考停止に陥ってしまいます。ここは、教員が上手に指導していただきたいと思います。
一方教員には大いにICTを使って業務改善をしてほしいですね。ICTは授業のあり方を変えるヒントになります。ChatGPTを使えば効果的な発問ができるようになったりします。
煩雑な作業はICTに任せて生まれた時間を、「なんで君はそう思ったの」「この後どうなると思う」など、ファシリテートやコーチングに当てれば、より内容が濃い授業を展開できます。
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